石川県と金沢市は16日、放射性セシウムに汚染した可能性がある福島県浅川町産の牛 肉計31・2キロが、新たに同市2カ所、加賀市1カ所で流通していたと発表した。県内 で流通が確認されたのは5カ所となった。県と市は、いずれも消費された可能性が大きい とみているが、食べたとしても健康への影響はないとしている。
 流通が確認されたのは、金沢市十間町の近江町市場にある「ミート市場」と同市三池新 町の「バローゆいの里店」、加賀市山中温泉南町の「いづみや」。

 浅川町の農家が5月23日に出荷した個体識別番号「08364―06595」の牛は 、東京都芝浦と畜場、都内の食肉卸業者を経て、埼玉県越谷市の食肉卸業者が22・3キ ロを購入。福井市の総合食品エスイー福井営業所(本社・京都市)に加工されたヒレ肉8 ・5キロが渡り、ミート市場に4・3キロ、いづみやに4・2キロが流通した。

 ミート市場では7月4日にヒレ肉が完売し、いづみやは5日と6日に中元用として3人 の知人に贈った。

 バローゆいの里店では、個体識別番号「05905―02595」の肩ロース22・7 キロが5月22日から24日に販売された。この牛は4月6日に浅川町から出荷され、横 浜市中央と畜場、同市中央卸売市場食肉市場を経て大阪府内の食肉販売業者が購入。名古 屋市内の食肉販売業者が買い取り、バローゆいの里店に入った。石川県内のほかのバロー 各店では流通は確認されていない。

 石川県と金沢市は16日、汚染疑いがある牛肉の販売が15日に確認された白山市平松 町のイオン松任店と金沢市諸江町のアル・プラザ金沢の精肉店「かね吉(きち)」を立ち 入り調査した。汚染された可能性がある牛肉の在庫はなかった。

 16日には石川県に7件、金沢市に1件の問い合わせがあり、相談内容は「牛肉を食べ たが大丈夫か」などだった。県薬事衛生課=076(225)1443=と市保健所衛生 指導課=076(234)5112=は17、18日も相談を受け付ける。

富山新聞
http://www.toyama.hokkoku.co.jp/subpage/H20110717101.htm