2014/9/9 22:04

 日本マクドナルドホールディングス(HD)は9日、8月の既存店売上高が前年同月比25.1%減ったと発表した。減少幅は2001年7月の上場以来最大。仕入れ先だった中国の食肉加工会社が使用期限切れ鶏肉を使っていた問題が7月下旬に発覚し、商品の安全性を不安視する消費者が利用を控えた。客足が戻る時期は見通せておらず、低迷が長引く可能性もある。

 マクドナルドの8月の既存店売上高は7カ月連続、来店客(16.9%減)は16カ月連続の前年比マイナスだった。鶏肉問題の発覚による顧客離れで、売上高が15〜20%落ち込む影響があったと同社はみている。加えて中国製の鶏肉商品の販売を中止し、すべてタイ製にしたため、一部店舗で品切れになったことも減収につながった。

 消費者から寄せられた品質管理の質問に答えるサイトを開設するなど、信頼回復の取り組みを優先し、8月中旬に計画していた期間限定の新商品の発売を取りやめたことも響いた。「来店客の落ち込みは底を打ち、好転の兆しが出ている」(日本マクドナルドHD)というものの、改善時期は未定とした。

 他の外食店やコンビニエンスストアとの競争が激しく、同社の経営環境は厳しい。14年1〜6月期の連結純利益は18億円と前年同期比59.4%減少した。鶏肉問題が発覚したことで7月下旬、影響を見積もれないとして14年12月期の業績を当初の減収増益予想から未定に切り替えた。

 鶏肉問題は他の外食店にも波及している。日本KFCホールディングスが運営する「ケンタッキーフライドチキン(KFC)」の8月の既存店売上高は1.4%減と、10カ月ぶりのマイナス。中国のKFCが問題の食肉加工会社と取引していたことで、日本のKFCも仕入れていると誤解した消費者がいたようだ。

日本経済新聞
http://www.nikkei.com/markets/kigyo/gyoseki.aspx?g=DGXLASDZ0905W_09092014TI0000