2015/02/12 政府が掲げた農協改革による「農業所得倍増」はTPP交渉反対の口封じか――万歳章JA会長、ICA(国際協同組合同盟)会長らが会見

※2月19日テキストを追加しました!

 「農協改革が農業所得の増加にどうしてつながっていくのか、説明が足りていない状況です」

 5月に予定されている、日米首脳会談前に政府が狙う環太平洋連携協定(TPP)の合意。TPPへの反対を主張する全国農業協同組合中央会(JA全中)の影響力を削ぐ農協改革が進んでいる。2月9日には、安倍政権が提示した体制を見直す改革案を受け入れたJA全中は、各都道府県にある中央会を存続させるなどの妥協点を残すことには成功したものの、事実上の組織解体が始まったことになる。


 これまで集票の盤石として改革の手が及ばなかったJA。今回の改革は、小泉純一郎内閣時代から続くアメリカの念願であり、当時、郵政改革の次に手をつけられることが期待されていた。安倍政権は、アメリカによる「年次改革要望書」のシナリオに沿う形で、この改革を10年ぶりに進めようとしている。

 2月12日(木) 16時より、日本外国特派員協会にて、万歳章JA会長、ポーリン・グリーンICA(国際協同組合同盟)会長、シャン・ルイ・バンセルICA委員による記者会見が行なわれた。

 地域農協に自由裁量を与えることによって、農家の所得増につなげるという政府の説明には、確かな道すじが示されておらず、農業者の高齢化や後継者不足、耕作放棄地の拡大など、日本の農業が抱えるさまざまな問題の前で真実味を帯びていない。万歳氏は、JA全中を一般社団法人に転換させることや、監査法人による会計士監査の導入などが盛り込まれた政府与党の農協改革案を受け入れることを表明しながらも、政府の示す方針の不透明さに不満を見せた。

 93カ国の249団体が加盟し、傘下の組合員は10億人を超える世界有数の規模のNGO・ICAは、協同組合の育成と運動の推進について、日本政府、JAに提言し、協力することを表明した。「協同組合があってこそ、農業が発展する」と語るグリーン氏は、JAの株式会社化を牽制し、あくまで農家の所得を倍増するという理念に基づく協同組合運動の推進のために助言する姿勢を示した。


IWJ
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/232048