2015/4/2 7:56

 【ニューヨーク=西邨紘子】遺伝子組み換え種子大手の米モンサントが1日発表した2014年12月〜15年2月期決算は、純利益が15%減の14億2500万ドル(約1710億円)だった。ドル高やトウモロコシ種子の需要伸び悩みが重荷となった。継続事業ベースの1株利益は2.90ドルで、前年同期(3.15ドル)と市場の予想(2.93ドル程度)を共に下回った。

 売上高は同11%減の51億9700万ドルだった。中核の種子販売は10%減。市場価格の下落を受けた農家の買い控えなどがひびき、主力商品のトウモロコシ種子が15%減収となった。大豆は8%増収と伸びたが、全体の落ち込みを補いきれなかった。

 モンサントは15年8月期通期の業績見通しは前回予想(1株利益で5.75〜6.00ドル)を据え置いた。ただ、予想範囲の下限に近い数字になるとの見方を示した。

 3月、世界保健機関(WHO)の関連機関がモンサントの主力除草剤「ラウンドアップ」の主成分グリホサートに発がん性の恐れがあると報告した。決算発表説明会で同報告の業績への影響について質問を受けたヒュー・グラント最高経営責任者(CEO)は「事業への影響はない」との見方を示した。

 同CEOはラウンドアップについて「(発売以来)40年間にわたり絶えず当局の審査の対象となってきたが、健康(への影響)についての報告には1点の曇りもない」と強調。「高いニーズがあるにも関わらず、このような悪意が顧客に大きな混乱を引き起こすのは不運なことだ」と強い口調で非難した。

日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK02H18_S5A400C1000000/