2015年10月6日 夕刊


 【アトランタ(米南部ジョージア州)=斉場保伸、東條仁史】環太平洋連携協定(TPP)交渉が大筋合意をした五日、甘利(あまり)明TPP担当相は記者会見をし、TPPに対する消費者の懸念や不安を解消しようと躍起になった。
 甘利氏は輸入量が増えることになる外国の農産品に対する安全性など、消費者から「TPPに対して不安や懸念の声が寄せられたのは事実だ」と認めた。だが、「科学的根拠の説明責任を強化している。食の安心が損なわれることはない」と強調した。ただ、食品添加物の使用や残留農薬、遺伝子組み換え食品の表示義務など、食の安全を守るための方策について具体的な言及はなかった。
 米国から無関税で輸入する七万トンの特別枠が新設されるコメについては「今後、国内対策で万全の措置を講じていく」とし、農家の競争力支援などに取り組む姿勢を強調した。
 また、参加国で異なる国民皆保険制度については「TPPによって制度が崩壊するかのような懸念が寄せられているが、そのような心配もない。(TPPに)公的医療制度の変更を求める規定はない」と述べた。
 甘利氏はさまざまな懸念を打ち消そうとしたが、交渉は秘密裏に進められただけに、消費者の不安は簡単には解消できない。政府は今後、協定に対するより丁寧な説明が必要になる。

東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201510/CK2015100602000247.html