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 農林水産省が分析した環太平洋連携協定(TPP)による畜産や酪農、林業、水産への影響は次の通り。

 【牛肉】

 当面、輸入の急増は見込みがたい。他方、関税の引き下げにより、長期的には米国、オーストラリアなどからの輸入牛肉と競合する乳用種を中心に国内産牛肉全体の価格下落も懸念される。このため国内の肉用牛生産について、規模拡大などによる生産コストの削減や品質向上など国産の優位性確保などの体質強化策に加え、経営の継続、発展のための環境整備を検討することが必要。

 【豚肉】

 当面、輸入の急増は見込みがたい。他方、長期的には従量税の引き下げに伴って低価格部位の一部がコンビネーションによらず輸入される可能性が否定できず、国内産豚肉の価格下落も懸念される。このため国内の養豚について、規模拡大などによる生産コストの削減や品質向上など国産の優位性確保などの体質強化策に加え、経営の継続、発展のための環境整備を検討することが必要。

 ハム・ベーコンについて、長期の関税削減期間を確保し、緊急輸入制限(セーフガード)を措置。日本国内で生産される豚肉調製品の主原料は輸入冷凍豚肉。このため豚肉調製品の輸入と、輸入冷凍豚肉が置き換わる関係にあることから、国産豚肉への影響は限定的と見込まれる。

 【乳製品】

 当面、輸入の急増は見込みがたい。他方、ホエイやチーズの関税撤廃により、長期的には競合する国内産の脱脂粉乳・チーズの価格下落などが生じることにより、加工原料乳の乳価の下落も懸念される。このため国内の酪農について、規模拡大などによる生産コストの削減や品質向上など国産の優位性確保などの体質強化策に加え、経営の継続、発展のための環境整備を検討することが必要。

 【鶏肉、鶏卵】

 TPP合意による影響は限定的と見込まれる。他方、関税削減・撤廃による輸入相手国の変化などにより、長期的には国産品の価格下落も懸念されることから、生産性向上などの体質強化策の検討が必要。

 【合板、製材(SPF)】

 影響は限定的と見込まれる。他方、長期的には国産材の価格下落も懸念されることから、生産性向上などの体質強化策の検討が必要。

 【アジ、サバ、マイワシ、ホタテガイ】

 影響は限定的と見込まれる。他方、長期的には国産価格の下落も懸念されることから、生産性向上などの体質強化策の検討が必要。

 【マダラ】

 影響は限定的と見込まれる。他方、TPP参加国からの輸入に占める割合が大きい冷凍マダラとタラのすり身については関税が即時撤廃であることや、長期的には国産価格の下落も懸念されることから、生産性向上などの体質強化策の検討が必要。

 【スルメイカ、アカイカ、ヤリイカ】

 影響は限定的と見込まれる。他方、長期的には国産価格の下落も懸念されることから、生産性向上などの体質強化策の検討が必要。

 【カツオ・マグロ類】

 影響は限定的と見込まれる。他方、主に加工向けであるカツオ、キハダマグロは関税が即時撤廃であることや、長期的には国産価格の下落も懸念されることから、生産性向上などの体質強化策の検討が必要。

 【サケ・マス類】

 影響は限定的と見込まれる。他方、TPP参加国からの輸入に占める割合が大きい冷凍ベニザケは関税の即時撤廃であることや、長期的には国産価格の下落も懸念されることから、生産性向上などの体質強化策の検討が必要。

 【ノリ、コンブ、ワカメ・ヒジキ、ウナギ】

 特段の影響は見込みがたいが、将来の輸入相手国の変化などに備え、さらなる競争力の強化が必要。

北海道新聞
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0198266.html