2017/1/23 20:22

 日本チェーンストア協会(東京・港)が23日発表した2016年の全国スーパーの全店ベース売上高は13兆426億円だった。既存店の販売実績は15年比0.4%減と2年ぶりに前年実績を割り込んだ。15年は食品の値上げが広がり売上高を底上げしたが、16年は衣料品の販売不振が大きく響いた。

 売上高の6割強を占める主力の食料品の全店売上高は8兆5077億円。既存店ベースでは15年実績を1.1%上回った。プラスは3年連続になる。野菜など生鮮品の10月以降の相場高も売上高を押し上げた。

 衣料品は16年の既存店が前年比5.2%減と15年より減少幅が3.1ポイント広がった。雑貨などの住関連の商品も5年連続のマイナスと落ち込みが続いている。

 同日発表した16年12月の販売実績は1兆2721億円。既存店ベースでは前年同月を2%下回った。マイナスは3カ月ぶり。冬物の販売が伸び悩んだ衣料品が10.4%減と落ち込んだ。

 日本チェーンストア協会の井上淳専務理事は消費動向について「持ち直しの動きが見られる」と指摘した。

 ただ、先行きについては為替や株価の先行き不透明感が消費者心理にマイナスに働く可能性があり「過度の楽観も悲観もできない」と慎重な考えを示した。

日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ23HQ2_T20C17A1TI5000/