東京電力福島第1原発事故による放射性物質の影響で福島県内の側溝にたまっている汚泥処分を巡り、政府は27日、県と福島、いわき両市と西郷村の本年度分の撤去事業に計5900万円を交付すると発表した。
 復興庁によると、県と県内23市町村が交付を要望。他市町村は新年度以降に対応する見通し。
 交付するのは福島再生加速化交付金で、内訳はいわき市4980万円、福島市500万円、西郷村320万円。いわき市で事業を実施する県は70万円。いずれも事業費の半額で、残りは震災復興特別交付税が充てられ、全額国負担となる。
 3市村のうち、いわき市は2月から小名浜地区で着手し、本年度は側溝十数キロ分で堆積物を撤去する。福島市は2月中旬以降、西部の通学路沿いの約3.5キロ分で事業を行う。いずれも新年度に新たに交付を受け、事業対象を広げる。
 放射性物質濃度が1キログラム当たり8000ベクレルを超える堆積物は中間貯蔵施設(福島県大熊町、双葉町)か指定廃棄物最終処分場(同県富岡町)に搬入。8000ベクレル以下は自治体が処分先を確保し、国や県が業者に処理を働き掛ける。
 交付決定を受け、清水敏男いわき市長は「残る地区でも速やかに(新年度から堆積物撤去が)本格実施できるよう取り組む」とコメント。小林香福島市長は8000ベクレル以下の堆積物を巡り「中間貯蔵施設に運んでもらえるよう、国に重ねて要望したい」と話した。


2017年01月28日土曜日
河北新報
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201701/20170128_61014.html